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2017年3月 4日 土曜日

誤りやすい現金主義と白色申告



28年分の所得税の確定申告もあと10日ほどとなり、どこの税務署も会計事務所も佳境を迎えようとしていることと思います。

このところe-Taxでの申告も納税者に浸透してきており、納税者の皆様の意識も高まって来たようでもあります。

今回は、不動産所得の申告での相談で白色での現金主義の選択依頼がありました。

現金主義は前々年の合計所得金額が300万円以下の小規模事業者に適用される経理処理の基準です。
税務上基本となるのは「発生主義」であり、正規の簿記の原則に準拠して記帳をし、申告する期間の収入や必要経費はあくまでその期間に属するものであることとされています。

したがって、前年や翌年の収入や費用に属するものは、申告所得計算上、除外されることになり、その年の収入や必要経費となるべきものは、所得計算上算入しなければなりません。

簿記でいう「収益・費用の見越し・繰延べ」として、翌年に計上されるべき収入や費用は「前受収益」や「前払費用」として翌年に繰延べ、今年に計上されるべき収入や費用は「未収収益」や「未払費用」として今年のものとして見越し計上するということです。

これに対し、「現金主義」を選択すると現金として受け取った収入や支払った費用は、その年の所得の計算上、それぞれ計上しますが、発生主義のように収益や費用の見越し・繰延べといった手間のかかる処理はしなくても済みます。

このため、所得の少ない小規模事業者の場合、現金主義による「簡易簿記(単式簿記)」によることが認められています。しかし、そうした小規模事業かどうかの判定は「前々年の合計所得金額」で300万円以下であることが条件となっているため、300万円を超えていると適用されません。

また、摘要されるのは「白色申告」ではなく、あくまでも「青色申告」を認められた場合のみ適用が受けられることになりますので、適用を受けたいと思われる方はその年の3月15日までに「青色申告の承認申請」と「現金主義の適用申請」をする必要があります。

なお、白色申告であっても原則「記帳義務」はありますので、その点にも注意が必要です。




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投稿者 大埜治仁税理士事務所