税務コラム

2017年2月23日 木曜日

"お金が足りない?!"・・・・資金繰り悪化の究極の原因分析

"お金が足りない?!"・・・・資金繰り悪化の究極の原因分析



どちらの会社様でも、必ず一度は経験すること・・・・

それは、月末になって運転資金が不足して「従業員の給与が払えない」「家賃が払えない」「買掛金が払えない」といったことではないでしょうか?

「うちはきちんとまじめにやっているはずなのに、何故?」

というのが、大方の経営者の悩みです。

月末になると何故資金繰りが悪化するのか?

その原因は、大きく3つにあるといわれています。

まず第一は、「ライバルとの競争に負けていること」です。

近隣に競合店が出現して価格や品質、商品構成などで負けてしまいお客がそちらに流れた結果、売上が減少してしまったため資金繰りが悪くなるようなケースです。

次に、「環境変化への不適応」です。

これは主力商品に対する需要が減少したり、商圏人口が減少したり、何らかの原因で人の流れが変わったり、お客様の年齢構成が変化した場合などが原因で、いつの間にか売上がじり貧状態になってきたことが原因の場合です。

自分の商売を成り立たせていた環境に変化が起きているのに、その変化に気づかなかったり、気づいたとしても何も手を打たなかった場合です。

三番目は「劣化」です。

これは経営者や従業員が高齢化して、お客様に対する対応がおろそかになったり、設備が老朽化して、時代感覚に合わなくなったりしている状態になってしまったため、お客から敬遠されて売上が落ちてしまったケースです。

これまでの経験では、ほとんどの経営者の方たちが異口同音に口にされる理由は「不景気だから」という理由です。

たしかに世の中、バブル崩壊以降、リーマンショック直前は一時的に株が値上がりしたり、明るい兆しが見えてきた時期もありましたが、
第二次安倍政権発足以降もアベノミクスによる金融緩和や補助金などの財政出動で少しは景気もよくはなってきていますが、それも川上で止まって、川下や地方には資金が回って行かないといった日本国内の経済状況があることも現実問題としてあります。

しかし、それを理由にしていても、儲かっている会社も少数ではありますが、あることもまた事実と言えます。

経営分析では、まず、「環境分析」からはじめます。

「環境分析」の方法には、①PEST分析、②5Forces分析、③バリューチェーン分析、
VRIO分析、⑤3C分析、⑥SWOT分析が知られています。

これらのうち、
①PEST分析、②5Forces分析は外部環境分析、③バリューチェーン分析、④VRIO分析は内部環境分析、⑤3C分析、⑥SWOT分析については外部環境と内部環境の両面からの分析手法となっています。


事業を経営するには、自社の置かれた外部の経営環境を把握し、その変化を見ながら、自社がどのような状態にあるかを理解したうえで、自社はこれらの環境に対して、どのように対応するかを考え、実践していくかを意思決定していくことの連続です。

自由経済市場という資本主義経済社会においては、企業は有用にして希少な経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を如何に効率的に配分することによって最小の努力にして最大の成果を獲得するかが、常に求められているからです。

したがって、こうした企業として存続していくには、「外部環境」を知り、「内部環境」把握しなければ、維持することは困難ということになります。

大規模企業では、経営組織も出来上がり、経営陣がこれらの分析手法を駆使して、市場経済における熾烈な競争に勝ち伸びてきています。

しかし、中小企業、特に規模の小さな会社ほど、経営リソースは乏しく、常に自社より強い競合が数多く存在するため、市場環境に適応し自由競争に対峙していくことは、極めて困難であることは言うまでもありません。

だからこそ、社長の経営能力は秀でていることがことさら重要視され、社員はその指示に従ってついていくというワンマン経営やカリスマ経営が多いのも、当然のこととしてあります。

たしかに従来から成功してきた会社のほとんどが、社長の才覚に大きく依存してきた企業が多いのも事実です。

かつてのような経済成長期においては、巧妙な経営戦略や客観的な経営分析をしなくても、経理についてもどんぶり勘定であっても、経済の成長の波に乗ってある程度は順調に成長することができた時代もありました。

しかし、バブル崩壊後の日本経済社会は、ほとんどの市場が供給過剰に陥りすでに成熟期を過ぎています。そして、今や少子高齢化といった人口構成変動要因もあって、あらゆる面で衰退期に入ってきていることは、この「失われた20年」の推移を体験してきていれば、誰もが認識している現実です。

そうした右肩下がりの衰退期にある経済にあって、以前のような右肩上がりの成長をいくら望んでも、なかなか思うようには行かないのは、ごく自然のことなのです。

日本を代表する大企業でさえもこの十数年の間には、いわゆる"ダウンサイジング"といった縮小経営がもてはやされた時期すらありました。

しかし、今や中国に世界経済の枢軸がシフトし、経済大国第二位だった日本経済が中国経済に取って代わられて以来、さらなる経済体制の崩壊がはじまってきているとみてよいように思います。

その意味でも、これまでの大企業の下請けでやってきた企業も経営方針を転換して、親企業が倒産しても、外資に買収されても影響を受けないような体質の会社に自らを変えていく必要が出てきているのです。

そうした意味では、小規模な会社ほど変わり身は容易にできる点でビジネスチャンスが到来しているという捉え方をすべきように思います。

何故なら、規模が大きくなり、人が多くなった会社ほど、内部環境は過去からのしがらみが多く、従来のやり方に固執する傾向が強いため、容易に方向転換することが難しいからでもあります。

さらに、従来の成熟期を過ぎた既存市場では、「業界」という意識が働くため、容易に他社と違うことをすることが、やりにくくなるといった実態もあり、そうした結果、業界全体として右肩下がりにもかかわらず、「他社もそうだからうちも心配ない」などという思い込みによって、ますます泥沼の状態、いわゆる「レッドオーシャン」の中でもがき続けなければならなくなってしまっているのです。

そうした意味もあって、あえて、「ブルーオーシャン戦略」を中小企業にも取り入れて、新たな市場、パラダイムへ転換することを提唱しています。

小さい企業だからこそ、この戦略も有利に展開できる余地があるものと確信しています。



資金繰り悪化の原因として次に多いのは、「ライバルが出てきたから」というものです。

大型店であったり、大手企業が地元に出現することで自社の売上高が減少しているということは当然あることです。

実際にある飲食店がやっとのことで開店した矢先に同業のライバル店が近所にオープンしたため、せっかくの新規出店も顧客をそちらに持っていかれてしまい、1~2年で撤退・廃業を迫られた事例すらあります。

特に飲食業や理容業その他の店舗経営型の業種にあっては、地政学的な戦略が極めて重要視されますが、後出しジャンケンよろしく、力のある他店に後から出店されてしまうとなかなかそうした不利な状況から抜け出すことは厳しくなってしまいます。

こうした展開は不運としかいえませんが、だからと言ってそのまま撤退してしまえば、出店にかかった投資はすべてどぶに捨てたも同然となってしまいます。

それだけでなく、フランチャイズの場合、ロイヤリティーの問題もありますので、勝手に経営手法を変えるわけにもいかなくなり、最悪の状態となってしまいます。

フランチャイズは経営ノウハウについて、すべて本部頼りのため、事業経験のほとんどない経営者にとっては、とりつきやすいビジネスですが、すべてにおいてノウハウを依存するということのリスクは、十分理解しておく必要はあると思います。

かつて、バブル崩壊後の経営戦略として、「コア・コンピタンス(=企業にとって他社を凌駕する核となる経営スキルやテクノロジー※)」を重視することが提唱されました。

「コア・コンピタンス」とはSWOT分析でいうところの「強み」となる最も有力な概念ということだと思います。ここでは、これまで採られてきた経営分析手法による経営戦略はもはや陳腐化して、戦略として役に立たないとさえ言われています。

ですから、他社にもできることであれば、それは「強み」とはなりません。

「企業=
エンタープライズ(Enterprise, Enterprize)」とは、ラテン語の「Inter」(中心、~の間、~の 中)+「Prise(掴む)」が語源となったもので"困難な場所へ入り手に入れる"という意味から 英語で「冒険心」とか「先取り精神」という意味です。

スティーブ・ジョブスもザッカ―バーグも、孤独な一起業家として独自のスキル・技術をコアにして、iPhoneやFacebookを世に送り出しました。

彼らほどのスキルやテクノロジーがなくても、新しい価値観を見出し、新たなアイディアや発想で、既存市場とはまったく異なる次元での新たな市場を開拓した人も現れ始めています。

「コア・コンピタンス」はIT企業やハイテク技術産業分野だけの特権ではなく、ローテクのように思われている一次産業や二次産業であっても、ひとつの斬新的なアイディアによって「新たなビジネスモデル」「新たな市場」を創出することは可能なのです。

発想さえ良ければ、後はそれを具現化する意思と実行能力で自ら市場を創出することが誰にでも可能性があることは理解すべきことではないでしょうか?



コア・コンピタンス (Core competence)とは、ある企業の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」の事を指す。ゲイリー・ハメルとプラハラードがハーバード・ビジネス・レビュー Vol.68(1990年)へ共同で寄稿した「The Core Competence of the Corporation」の中で登場し、その後広められた概念である。「他社には提供できないような利益を顧客にもたらすことのできる、企業内部に秘められた独自のスキルや技術の集合で体である」と説明されている(「コア・コンピタンス経営(日経ビジネス文庫)」より)。

両氏の定義によると、コア・コンピタンスは次の3つの条件を満たす自社能力のことである。
顧客に何らかの利益をもたらす自社能力
競合相手に真似されにくい自社能力
複数の商品・市場に推進できる自社能力

具体例として自動車産業が取り上げられ、ホンダにおけるエンジン技術(芝刈り機や除雪機から自動車までコア技術を幅広く展開)や、フォードによる買収前のボルボにおける安全技術などが挙げられる。(出典:ウィキペディアより)





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投稿者 大埜治仁税理士事務所