税務コラム

2017年2月21日 火曜日

確定申告(不動産所得)・・・マンション投資のリスクと節税



数年前に「金持ち父さん」という本が話題となりました。この本の影響で、このところ、不動産投資をして一財産をつくろうとする動きが目立ってきました。

マンション経営をしている人のなかには、たった1年で3億円も稼ぐ人がいるようです。そんなに稼いでいて「ウラヤマシイ」と思われる方もいるかもしれませんが、こうした話には裏があります。

稼いでいるといっても賃貸収入で、実際は多額の借金を抱えてしまい、ローン返済に追われて実質的な所得を得ているケースは全体の数分の一といったところが、実情のようです。

賃貸マンション経営には借入金返済のリスクと空室による減収リスクが常について回ります。

実際にバブル崩壊以降、初期投資で2億円のマンションを投資した事例では、損益計算で利益が出るのに7~8年はかかりました。

その間は借入金の利息中心の返済が続き、なかなか元本が減らない状況が続いていました。

もっとも初期における定率法による減価償却費が多かったため、損益計算では名目上赤字となっており、節税効果があり、キャッシュフローからすれば、資金回収はある程度順調だったため、8年後にようやく黒字となったため、かえってその後の節税が課題となりました。

その点で、「管理会社」を設立することで、役員報酬がとれたため、それ以降は順調に資金回収を図ることが出来たということです。

当初、自己所有地の上に会社所有のマンションを建て、使用貸借契約による「無償返還の届出」をすることで、無用な「借地権の認定課税」を回避したのですが、その後の相続の際には、「更地評価」となったため相続税の節税を逸してしまったということもありました。

ただし、これについては、当方の関与しない時期のことですので、今となっては過去のこととなっております。

しかし、借地権が上物に移転し、会社の所有権に属することとなっていたとしたら、自社株評価でその分が評価増しとなったため、ある意味では、ダブル課税となってしまった可能性もありましたので、かえって良かったのかもしれません。

建物だけの課税であれば、減価償却で半減する時期で相続になったことを考慮すると、株式評価において、固定資産税評価となることも計算に入れると、上物について節税効果が図られたことになるので、相続税全体でみれば、結果、
 "no problem "ということでしょう。

しかし、現在は、超低金利、あるいはマイナス金利といった経済事情もあり、不動産投資にはチャンスとはいわれていますが、20年、30年といった長期の資産運用である不動産経営では、その間にいつ金利が変動するかについては、誰も予測不可能であることはいうまでもありません。

しかも、少子高齢化がますます進行していく状態にある日本国内の人口趨勢からしても、すでに都心を中心とした「空き家問題」が顕在化してきている現在、将来的な需要を期待すること自体が難しいといえます。

赤字国債を際限なく発行し続ける政府日銀が今では1062兆円の債務にまで膨張し続け、今後も低金利政策は継続されるでしょうが、トランプ政権の発足やイギリスのEU離脱などの国際経済の潮流をみると現在の経済政策がいつまで続くかについても、保障はどこにも見い出せないでしょう。

マンション経営で確実に利益を出すつもりならば、そのリスクについてきちんと把握しておくことが必要です。

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投稿者 大埜治仁税理士事務所