税務コラム

2017年2月 7日 火曜日

ドラッカーの「顧客創造」と下請け企業の宿命

ドラッカーの「顧客創造」と下請け企業の宿命


ドラッカーの「顧客創造」とは

ピーター・F・ドラッカーは、経営学の神様といわれ、私もかつて大学時代に経営学で学びました。

少し前ではありますが、「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」が話題になり、マンスリーレポートでも採り上げました。

しかし、このところ経営者の間でも再び脚光を浴びてきているようです。

その代表的な著書『現代の経営』において、「企業の目的は顧客の創造である。そして、マネジメントは、この顧客の創造を高めるよう機能しなければならない。」と述べています。

では、具体的にどのような機能が求められるのでしょうか。

この問いに対してドラッカーは、次のように答えています。

「企業の目的が顧客の創造であることから、企業には2つの基本的な機能が存在することになる。すなわち、マーケティングとイノベーションである」と。

顧客創造とは、すなわち顧客のニーズを満足させることに他なりません。

一方、マーケティングとは、顧客のニーズを探り、顧客が満足する価値を提供する活動です。

ドラッカーの言葉を借りると、

「マーケティングとは、顧客というものをよく知って理解し、製品(ないしはサービス)が『顧客』に『ぴったりと合って』、ひとりでに『売れてしまう』ようにすること」

です。

したがって、企業の唯一最大の目的である「顧客創造」には、マーケティングが欠かせないといえます。

企業活動というのは、「モノを作って、それを売ることで資金を回収する」というプロセスといえます。製造業は「モノを作る」ことが主たる事業目的であり、「モノを売る」というのは、「販売業」の事業目的ともいえます。

ですので、製造業は基本的に「モノを作る」ことは得意ですが、「モノを売る」ことについては、得意とは言えません。

SWOT分析からすれば、それは、「弱み(Weakness)」に他なりません。

「モノを作って、それを売ることで資金を回収する」という企業活動の基本プロセスからみれば、「モノを売って資金を回収する」という後半のプロセスが欠如したビジネス・モデルと言えます。

このことが「大企業の下請けに甘んじざるを得ない」根本的な理由といえます。

大企業の下請けであるということは、あえて、自社の不得意な「モノを売る」という販売活動する必要はなく、得意である「モノを作ること」に専念できるわけですから、企業戦略として経営を考えた場合、最も効率の良いてビジネス・モデルということになります。

下請け受注ということは、何もしないで黙っていても、親会社から注文があれば、それに応じてモノを作って納品すれば、それで経営が成り立つわけですから、それで事足れりとなります。

セールスのために営業マンを雇う必要もないし、広告や宣伝の経費も必要がありません。そうした販売については、すべて親企業が請け負っているからに他なりません。

ですから、日本が経済大国になれたのは、そうした大企業+下請け企業の受注生産体制によって、最も効率的に分業が成立し、貿易立国という産業政策によって、小資源国のデメリットを最大の経済メリットのある経済体制に転換できたからに他なりません。

しかし、下請けであるがゆえに、親会社の不当な要求に応じざるを得ないというのが、大半の中小企業の「弱み」であり、「泣き所」だったのではないでしょうか?


では、その「弱み」を克服するにはどうしたら良いでしょうか?

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投稿者 大埜治仁税理士事務所