事例

2016年11月18日 金曜日

特別受益と遺留分の減殺請求





相続において、特定の相続人が、被相続人から受けた遺贈や生前贈与などの特別な利益のことを特別受益といい、特別受益を受けた者を特別受益者といいます。
 
民法では、第903条(特別受益者の相続分)において、

1.共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

2.遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。

3.被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

と規定されています。

特別受益を受けた相続人の相続分を、特別受益分だけ減らすことによって 、他の相続人との公平を図ることが認められています。これを「特別受益の持戻し」といいます。

一方、被相続人は、口頭、または書面によって「持戻免除の意思表示」をすることができます。

しかし、後日の紛争を避けるためには、書面、できれば、遺言書を作成しておいた方が良いでしょう。

なお、特定の相続人が受けた特別受益が、相続とは無関係である、とすることを「持戻の免除」といいます。

つまり、特別受益を受けていても、相続分が減らされない、ということで、被相続人は遺言をもって、そのことを他の相続人に求めることが出来ます。

しかし、遺留分を侵害することはできないので、仮に特別受益によって他の相続人の法定相続分の2分の1を割り込むような場合、各相続人は、家庭裁判所に「遺留分の減殺請求」をすることができます。

内容証明を出して請求しても相手が応じない場合には、家庭裁判所に家事調停を申し立てます。それでも、調停が不成立に終わったときは、審判に移行せず、地方裁判所に民事訴訟で解決することになります。   

遺留分の減殺請求は、遺留分権利者が相続の開始を知り、被相続人の財産の贈与又は遺贈があった事実を知り、その贈与又は遺贈が遺留分を侵害していることを知った時から1年以内 にしなければなりません。

しかし、この「遺留分の減殺請求権」は、 「知ったときから1年」以内であっても、相続の開始の時から 10年 を経過したときには時効消滅しますので、留意が必要です。
    


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投稿者 大埜治仁税理士事務所