税務コラム

2016年9月29日 木曜日

会社を強くする? 小規模企業の財務分析の盲点



御社の経営に重要な目標として、3つ挙げるとしたらどのような目標を挙げますか?

民間企業にとって最も重要な目標は、「売上を上げる」こと。売上が上がらなければ、すべてが始まらないことはいうまでもありません。

しかし、いくら売上が上がっても、そのためにかかった原価や人件費や諸経費が売上高、会社の収益を上回ってしまえば、結果として、損失を計上することとなり、営利企業としては目的を達成したことにはなりません。

だから、会社の目標として重要なのは、「利益を確保する」ことであるということもできます。

ところが、売上を上げ、コストを抑え、利益を確保するためには、どうしたらよいか?

そのために日々、経営者は知恵を絞り、組織を作り、ヒト・モノ・カネを効率よく運用して、成果を出すことに努力していることは、いうまでもありません。

要約すれば、会社経営の目標とするのは、「売上を上げ、コストを抑え、利益を確保するために知恵を絞り、組織を作り、ヒト・モノ・カネを効率よく運用して、成果=利益を出すこと」に他なりません。

ここまでは、誰しもがわかっている当然のことです。

それでは、「売上を上げ、コストを抑え、利益を確保するために知恵を絞り、組織を作り、ヒト・モノ・カネを効率よく運用して、成果=利益を出す」ためにどのように知恵を絞り、組織を作り、ヒト・モノ・カネを効率よく運用して、成果=利益を出すことができるのでしょうか?

それこそが、経営者の最大の課題であり、「目標」であると言っても過言ではありません。

売上を上げるには、ヒトに働いてもらって、会社の商品やサービスを消費者に販売させることが、必要となります。あるいは、宣伝広告に投資して、自社の商品・サービスのメリットを顧客に周知させ、購入を促進させる方法もあります。

しかし、いくら優秀なセールスマンが足を棒にして売り込みを図っても、自社の商品やサービスが消費者にとって魅力がないもの、役に立たないものであれば、それらの商品は売れません。

ですから、自社の扱う商品やサービスが消費者の欲求を満たし、購買に結びつくものになるように開発努力していかなければなりません。

商品やサービスについては、市場があり、同業他社との競争にさらされ、消費者の厳しい目から選別されるわけですから、如何に他社の商品・サービスより優良で満足度の高いものにする必要があります。その結果、他者より断然、付加価値の高い商品・サービスを提供することが出来れば、販売努力をしないでも、自然と顧客は集まり、売上を拡大することが出来るという理屈となります。

ですから、高付加価値の商品・サービスを提供することができる企業では、販売にかける人件費や広告宣伝費などのコストを最小限にすることが可能であり、市場価値が独占的であれば、なおのこと、寝ていても儲けることが出来ることになります。

反対に市場での価値が同業者並み、あるいはそれ以下であった場合には、そのギャップをカバーするため、有能な営業マンを雇用し、販売活動を促進していかなければならなくなります。

経営者の仕事は、社員のモチベーションを上げ、やる気を出させて、売上を伸ばすことが、主要な目標となります。

インターネットの登場は、こうした従来の販売プロセスにおいて、そうした意味での革新を産業界にもたらしたことは言うまでもありません。

今では日常生活まで入り込んだネット情報はあまりにも膨大なものとなり、アマゾンや楽天などのインターネットビジネスの成功モデルが次々と市場を席巻し、巨大産業へと発展を遂げてきたことは、誰もが認めざるを得ない現実となっています。

いまや、どんな小規模事業といえど、何らかの形でサイト登録され、消費者の評価を受ける時代です。

しかし、小規模ビジネスでは、これらの巨大企業に比べるとヒト・モノ・カネすべてにおいて、弱小であることは否めない事実です。

当然、経営を維持し、利益を確保し、従業員を養っていくには、これら経営の諸要素を如何に効率よく、自社の市場に適合したモデルに構築し、最適にして最大のパフォーマンスを実現していかなければなりません。

決算書はそれを見極めるための貨幣価値による企業業績評価の基準値です。

では、そうした意味をもつ決算書から何を読み解いていったらよいのでしょうか?

もう一度、冒頭に戻り、読み返していただければ、その答えは明確になるはずです。

その場合、御社の問題点を意識し、どのように経営資源である資本=カネを適正に配分するのが良いか、自社の強みは何で、それを補完・強化していくにはどのような方法があるのか?

どのようにしたら市場競争に勝ち残れるのか?

これまで、自社が成長・発展してきた要因は何だったのか?

その答えを見つける能力が必要となります。

今の時代、パソコンと財務ソフトがあれば、誰でも簡単に財務指標を算出することはできます。

しかし、いくら企業会計理論に基づいて、流動性比率やら売上高総利益率 、売上高経常利益率、総資産回転率 、自己資本比率 、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資本利益率)といった指標を診たところで、銀行を説得することができても、ほとんどの経営者は、頭の中に「?」を抱えたまま、首を傾げることとなるのです。

銀行融資は赤字企業にとっても、黒字企業にとっても、生命線である側面は否めません。

しかし、融資のために企業の本来の目標を見失っては、元も子もありません。

そのためには、自己金融・・・内部留保による資本蓄積は自立する企業の最大の経営目標と理解すべきことです。

そのような観点から、財務指標をお考えいただければ、有意義な財務分析は可能となるでしょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク

投稿者 大埜治仁税理士事務所