税務コラム

2016年8月22日 月曜日

成年後見人制度の利用




成年後見制度は、2000年4月の改正民法で、旧民法の禁治産者・準禁治産者制度に代わる新たな制度として制定されました。

旧民法下での禁治産者とは意思決定(自己の財産を管理・処分できる)能力がないと判断され、家庭裁判所から禁治産の宣告を受けた人のことをいいました。

また、準禁治産者は禁治産者ほどではないにしても判断能力が禁治産者に準ずる程度(自己の財産を管理・処分するのに常に援助を必要とする)であるとして家庭裁判所から準禁治産の宣告を受けた人をいいました。

禁治産という用語は「(家の)財産を治めることを禁ず」という意を持ち、家制度の廃止された現行の民法(親族・相続法)に合致しないことや国家権力により私有財産の処分を禁ぜられ無能力者とされること、また禁治産・準禁治産が戸籍に記載されることが人格的な否定等の差別的な印象を与えるという批判がありました。

このため、禁治産制度の利用に抵抗感を持つ人も多く、制度としての利便性にも大きな問題がありました。

これに代わって新たに制定された成年後見制度は、「ノーマライゼーション・自己決定の尊重という理念と本人の保護の調和」が求められています。

そのため、単に財産を管理するに止まらず、本人の生活を支えること(身上配慮義務)が後見人の役割とされています。

ノーマライゼーションとは、 高齢者や障害者であっても特別扱いをしないで、今までと同じような生活をさせようとする考え方であり、本人の自己決定を尊重し、現有能力(残存能力)を活用しようというものです。

また、身上配慮義務とは、 本人の状況を把握し配慮する義務をいい、特に戸籍に記載がされて、身分上の差別を受けることとなっていた 旧法(禁治産者制度)に対し、代わりに後見登記制度が新設されて、被後見人の人権が保護されるように 配慮された点で、大きく異なります。

高齢者社会が加速度的に広がりを見せている現在、成年後見人は、認知症のお年寄りを抱える家庭においては、その財産管理や医療介護を誰かが担う必要がますます増してきています。

また、最近では、高齢者を狙ったオレオレ詐欺の横行が続いており、ほとんど毎日のようにテレビや新聞に事件が報道されています。

その意味でも、成年後見人制度の重要性は、ますます高まっています。

成年後見人の選任は、家庭裁判所に申し立てた後、裁判所によって、行われます。親族が自薦でする場合も、また、複数人でなることも可能とされていますが、親族ができないような場合は、弁護士や司法書士、われわれのような税理士が選任される場合もあります。

成年後見人申請する際、本人の医師の診断書が必要です。長谷川スケールによる認知症の診断基準により、「後見人相当」「保佐人相当」「補助人相当」の3つの段階に分けられ、本人の病状に応じた制度が適用されます。











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投稿者 大埜治仁税理士事務所