税務コラム

2015年12月28日 月曜日

政府税制改正大綱で創設された空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

今年もあとわずかとなりました。

年末になると聞こえてくるのは政府の税制改革大綱による来年度の税制改正です。

特に目玉なのは、空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例(3,000万円控除)が創設されたことです。

近年、少子高齢化で問題となってきている親の亡くなった後の空き家について、従来の居住用宅地の3,000万円控除の他に譲渡所得の特例が創設されたことです。

規定としては、

「相続開始の直前において被相続人のみが居住の用に供していた家屋及びその敷地の用に供されていた土地等を相続により取得した個人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に、次の2のいずれかの譲渡をした場合で、その譲渡に係る譲渡所得について、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を適用することができる。」

ということですが、次の要件を満たすことが必要です。

(1) その譲渡が相続開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に行われていること。

(2) その譲渡対価が1億円以下であること。

(※) その譲渡対価の額と、その譲渡日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に相続人が行った被相続人居住家屋と一体としてその被相続人の居住の用に供されていた家屋又は土地等の譲渡対価の合計額が1億円を超える場合には、この特例は適用しない(譲渡対価の要件を充足させるために何回かに分けて売却するようなことは認められない)。

なお、ここで喜ぶのは少し早いです。

特例の対象となるのは、相続開始の直前において被相続人のみが居住の用に供していた家屋(被相続人居住用家屋)ということなのですが、カッコ書きで、

「昭和56年5月31日以前に建築されたものに限り、マンション等の区分所有家屋を除く。」

とされており、最近建てられた家屋、マンションなどの区分所有の建物は対象から外されます。

さらに、

(1) 次の要件を満たす被相続人居住家屋の譲渡又はその被相続人家屋及びその敷地の譲渡

① 相続時から譲渡時まで事業の用、貸付けの用、居住の用に供されていたことがないこと(空き家であったこと)

② 譲渡時において、所定の耐震基準に適合していること(耐震改修をしていること)


(2) 相続時から譲渡時まで事業の用、貸付けの用、居住の用に供されていたことがない被相続人居住用家屋を取り壊した後におけるその敷地の譲渡(敷地についても譲渡時まで事業の用、貸付けの用、居住の用に供されていたことがないことを要件とする)

という限定条件がありますので、くれぐれもお間違いのないようにご注意ください。





このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク

投稿者 大埜治仁税理士事務所