税務コラム

2013年10月 2日 水曜日

消費税増税とデフレ対策・・・大企業に留保金課税を




昨日10月1日、安倍晋三首相は記者会見で、来年4月に消費税を8%に引き上げると正式表明しました。

同時に、消費税率の引き上げに合わせて、5兆円規模の経済対策や減税措置も発表しました。その主な内容は、以下の通りです。

経済対策

復興特別法人税の1年前倒し廃止 約9000億円 2013年度末での廃止を検討する
住宅購入者向けの現金給付 約3600億円 -
低所得者向けの現金給付 約3000億円 -
公共事業など 数兆円規模か? -
震災復興事業など 約1兆8000億円 -

減税措置

設備投資など投資を促す減税 約7300億円 -
賃上げ促進税制 約1600億円 -
住宅ローン減税の拡充 約1100億円 - 

だが、この経済対策の策定はギリギリまで迷走を続けたようです。

「経済対策の必要性は分かっているが、なぜ被災地を巻き込むのか」との趣旨で、与党内の自民、公明両党の一部、特に被災地選出の国会議員から反発の声が上がりました。

アベノミクスの第3の矢である成長戦略の柱にもなり得る法人実効税率の引き下げにつなげるため、復興特別法人税の前倒し廃止に固執する安倍晋三首相と官邸に与党が強く抵抗。

結局、復興特別税の1年前倒し廃止案は、「(復興特別法人税の廃止を)確実に賃金上昇につなげられる方策と見通しを確認すること等を踏まえたうえで、12月中に結論を得る」(自民党・野田税調会長)ということで、12月に結論が持ち越しとなったようです。

復興増税廃止によって減税となる企業に社員給与を上げましょうといくら政府がいったところで、政策的効果はまったく期待できないことも確かでしょう。

このままでは、インフレターゲットは達成したものの、世の中の資金循環が達成されず、再びデフレ経済に戻ってしまう懸念さえあります。



政府はアベノミクス成功の鍵となるこの重要な難問題に対して、平成20年度税制改正において廃止された「留保金課税」を何故検討対象としないのでしょうか?

もちろん、これは、平成20年度税制改正において、特定同族会社の内部留保に対する留保金課税について、資本金1億円以下の中小企業は課税対象から除外された制度ですが、現在も資本金1億円超の特定同族会社は対象となっています。



現在問題となっているのは、「復興特別税廃止」の恩恵を受ける残り3割の大企業であり、同族会社というわけではありません。これらの大企業が円安や特別税の廃止により、増収となっているわけですから、それらの企業が儲けた資金を内部留保せず、従業員の給与に還元することこそが、デフレ脱却のメルクマールなわけです。

したがって、これを制度として定着させるには、それら企業に対する「留保金課税」と給与に反映した場合の「課税の減免措置」をセットで導入すれば、確実に政策目的は実現可能なはずです。

多くの政治家や専門家がこれだけ集まって、かつての「バラマキ」のようなさして効果的でない対策しか提案されないのは不思議でなりません。



こんなことだからバラマキ政策の元祖民主党の野田前首相に揶揄されるのだ



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投稿者 大埜治仁税理士事務所