税務コラム

2013年8月 6日 火曜日

危ない委任契約

昨年のことですが、当事務所に「先生を変えたいからお願いします」とのオファーがありました。

お客様の話では、個人事業所から法人成りを頼んだのですが、月額顧問料が6万円ということで、「かなり高い」とのお話でした。

もっとも、普通法人と違って、若干、手間がかかるところなので、当方でも、「おまかせコース」を対応させていただきました。

しかし、相手の会計事務所が、「契約」を楯に「解約」に応じてくれず、重要資料は返却を一切拒否されて、「違約金6か月分の顧問料」を支払わされたということでした。

民法上、税理士その他の士業との契約(=準委任契約といいます)は、双方の「自由意思」によって成立するものであり、解約も同様です。

ただし、契約上、一定の特約により、「解約する場合は、6ヶ月以前に通知すること。通知のない場合は、6か月分の違約金を支払うことと。」ということを楯に、預けていた申告書などの資料の返却に応じないという強硬な態度のため、社長や奥さんは頭を抱えて相談されにこられたという経緯でした。

税理士会には、このようなトラブルに対処するため「紛議調停委員会」という調停機関を設置して、対応していますが、「すでに裁判レベルに及んでしまった」ということで、受け付けてくれませんでした。

というか、その先生が会の委員と知り合いだったとかで、拉致が空かなかったというのが、実情のようでした。

庶民には手の届かない処理機関が、結構、内輪で仕切られていることは、否定できないことかもしれません。

いずれにしても、そういうことで、当方の弁護士とも協議の上、すったもんだの末、結局は、「金銭決着」ということで、解決することになりました。

しかし・・・ことがことだけに、関与した弁護士先生や司法書士先生たちも、「呆れ顔」・・・。

そもそも、「他人の求めに応じて、税務上の委任代理行為する」立場の者として、閉鎖的な体質であるこうした業界のあり方に便乗した対応は、今の時代、考えられないことです。

少なくとも、「紳士的、公平であるべき」が、われわれ税理士の社会的立場ではないでしょうか?



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投稿者 大埜治仁税理士事務所