事例

2013年8月 5日 月曜日

税務時効




「税務上の時効」があるのをご存知の納税者は少ないです。

国税通則法第72条では、国税の徴収権の消滅時効として、

「国税の徴収を目的とする国の権利(以下この節において「国税の徴収権」という。)は、その国税の法定納期限(第70条第3項の規定による更正若しくは賦課決定、前条第1項第1号の規定による更正決定等又は同項第3号の規定による更正若しくは賦課決定により納付すべきものについては、これらの規定に規定する更正又は裁決等があつた日とし、還付請求書に係る還付金の額に相当する税額が過大であることにより納付すべきもの及び国税の滞納処分費については、これらにつき徴収権を行使することができる日とし、過怠税については、その納税義務の成立の日とする。次条第3項において同じ。)から5年間行使しないことによつて、時効により消滅する。」

と規定され、原則として法定納期限から5年間行使しないことによって、時効により消滅する
こととされています。

そのため、納税義務は、原則として法定納期限から5年を経過すれば、時効によって消滅することとなります。

ただし、偽りその他不正の行為によって免れ又は還付を受けた租税については、その時効は、原則として法定納期限から2年間は進行しませんから、この場合の時効期間は、実質的には7年間となります。

国税通則法第73条第3項 国税の徴収権で、偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税に係るものの時効は、当該国税の法定納期限から2年間は、進行しない。ただし、当該法定納期限の翌日から同日以後2年を経過する日までの期間内に次の各号に掲げる行為又は処分があつた場合においては当該各号に掲げる行為又は処分の区分に応じ当該行為又は処分に係る部分の国税ごとに当該各号に掲げる日の翌日から、当該法定納期限までに当該行為又は処分があつた場合においては当該行為又は処分に係る部分の国税ごとに当該法定納期限の翌日から進行する。

1.納税申告書の提出 当該申告書が提出された日
2.更正決定等(加算税に係る賦課決定を除く。) 当該更正決定等に係る更正通知書若しくは決定通知書又は賦課決定通知書が発せられた日
3.納税に関する告知(賦課決定通知書が発せられた国税に係るものを除く。) 当該告知に係る納税告知書が果せられた日(当該告知が当該告知書の送達に代え、口頭でされた場合には、当該告知がされた日)
4.納税の告知を受けることなくされた源泉徴収による国税の納付 当該納付の日

 偽りその他不正の行為とは、「真実の所得を隠ぺいし、それが課税の対象となることを回避するため、所得金額をことさらに過小に記載した内容虚偽の確定申告書を提出する行為」と最高裁で判示し、単に確定申告書を提出しなかったという消極的な行為だけではこれに当たらないとされています。

 ですから、何らかの理由で税務申告を5年以上の長期間せず放置した場合でも、後日、過年度に遡って期限後申告した場合でも、「仮装」や「隠蔽」など虚偽の申告でない限りは、5年間の時効、したがって、それ以前の申告義務が免除されることになります。

 ですので、この制度を悪用して、意図的に不正に申告義務を逃れたり、虚偽の申告をすれば、税務調査によって、2年間の時効の中断として扱われ7年間遡って申告納税義務が認定されることになりますので、注意してください。

 ちなみに、国税の徴収権の時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができないため、時効完成後の納税は過誤納として還付されます。なお、時効完成の効力は起算日まで遡りますから、以降の利子税、延滞税も同様に消滅します。

 地方税も同様です。


このエントリーをはてなブックマークに追加
このエントリをlivedoorクリップに登録
このエントリをBuzzurlにブックマーク

投稿者 大埜治仁税理士事務所